「財布忘れた」は信じていい?無銭飲食の現場対応とトラブル回避術
無銭飲食が起きたとき、店側は「110番でいいの?」
「客を止めたら違法?」と迷いがちです。
一方、利用者側も財布忘れやトラブルで支払えないと、
対応次第で大事になりかねません。

店側もお客さん側も、どう動けばいいか分からなくてパニックになりやすいよね…!

ポイントは「安全確保」と「記録」と「連絡基準」です。感情ではなく手順で動けると、揉めにくくなりますよ^^
この記事では、警察への連絡基準、
現場での安全な対応、証拠の残し方、
被害届の流れまでを実務目線で整理します。
無銭飲食 警察 対応でまず確認すべきポイント

無銭飲食は「その場の会計トラブル」に見えても、対応の順番を間違えると店側も利用者側も損をします。最初に、罪の考え方、警察へ連絡する基準、現場で安全に動くための最低限を押さえましょう。
無銭飲食は何罪になり得るのか(詐欺罪の考え方)
結論から言うと「無銭飲食罪」という名称の罪は一般的ではなく、状況次第で詐欺に当たるかが問題になります。ポイントは、注文時点で支払う意思や資力がないのに、払うつもりがあるように見せて提供を受けたかどうかです。
判断が分かれやすい例は次の通りです。
- 最初から払う気がない:詐欺として扱われやすい
- 財布を落とした、カード停止など突発:事情の説明と支払い意思の具体化が重要
- 料金に納得できない:無銭飲食ではなく料金トラブルに寄る場合がある
店側は感情で決めず、事実を整理して警察に伝えられる形にしておくと、その後がスムーズです。
警察が動きやすい条件(現行犯・緊急性・悪質性)
警察が現場で動きやすいのは、逃走しそう、暴れて危険、身元が確認できないなど、緊急性が高いケースです。いわゆる現行に近い状況ほど、対応が早くなりやすい傾向があります。
店側での目安は以下です。
- 退店しようとしている、追い呼ばれている
- 住所や氏名を言わない、連絡先が虚偽っぽい
- 酩酊や威圧でスタッフ対応が困難
- 被害額が大きい、同様の被害が続いている
逆に、落ち着いて支払い方法を一緒に整理できる状況なら、まず安全を確保しつつ手順で詰めるのが現実的です。
110番と#9110の使い分け(緊急通報と相談)
迷いやすいのが「今、電話していいのか」です。基準はシンプルで、いま起きている危険や逃走があるなら110番、緊急ではない相談は#9110が基本です。
使い分けの目安を表にまとめます。
| 状況 | 推奨 | 理由 |
|---|---|---|
| 退店しようとしている、追いかけるか迷う、暴れている | 110番 | 事件・事故の緊急通報に当たる可能性が高い |
| その場は収まったが、被害届や手続きの相談をしたい | #9110 | 緊急でない警察相談として整理しやすい |
| 後日、証拠をそろえた上で相談したい | #9110または管轄署 | 状況説明が落ち着いてできる |
どちらにしても、通報の前に「いま何が起きているか」を短く言語化しておくと、相手に伝わりやすくなります。
店側が最初にやること(安全確保・状況整理・証拠)
最優先は安全です。スタッフ1人で抱えず、複数名で対応し、危険を感じたら距離を取ります。次に、警察へ説明できるよう、事実だけをメモします。
最低限のチェックリストです。
- 時刻、人数、席、注文内容、会計金額
- 相手の特徴(服装、髪型、持ち物)
- 会話の要点(支払う意思の有無、理由)
- 防犯カメラの有無と該当時間帯
- 車や自転車の場合はナンバーや特徴
この段階で、相手に対して決めつけの言葉をぶつけると揉めやすいので、確認ベースの言い方を徹底します。
「財布を忘れた」申告への実務対応(支払手段の提示)
本当に財布を忘れた人もいます。ここでの狙いは、支払い意思を具体化させ、逃走の余地を減らすことです。店側は選択肢を提示し、相手に決めさせる形が安全です。
提案しやすい手段の例です。
- 同伴者や家族に連絡して持参してもらう
- 近隣のATMへ同行して引き出す(無理に追い込まない)
- キャッシュレス決済の別手段がないか確認
- 後払いの場合は、本人確認と書面化を検討(店の方針次第)
ポイントは、口約束だけにしないことです。後払いを認めるなら、氏名・住所・連絡先・支払期日・支払方法を整理し、店のルールとして統一しておきます。
店員がやってはいけない対応(過剰な拘束・暴行リスク)
無銭飲食を止めたい気持ちがあっても、力で押さえると店側がトラブルを背負うリスクがあります。特に、殴る・蹴る・長時間の拘束はもちろん、服を強く引っ張るなども危険です。
安全のための原則はこれです。
- 追いかけるより、110番と証拠確保を優先
- 物理的な拘束は最後の手段として最小限
- スタッフの身の安全が最優先
現場の混乱は「店が悪者」に見える構図を生みやすいので、冷静に、警察に引き継ぐ前提で動くのが結果的に強いです。
事後の流れ(被害届・連絡・示談・再発防止)
その場で解決しなかった場合、次は事後処理です。被害届を視野に入れるなら、証拠と事実関係の整理が重要になります。防犯カメラ、レシート、会計ログ、スタッフのメモは役に立ちます。
事後にやることは次の順が基本です。
- 店内データと証拠の保全(上書き防止)
- 管轄署または#9110で相談し、必要書類を確認
- 被害届の提出を検討(店の方針と被害額で判断)
- 支払い・弁償が来た場合は経緯を記録し、再発防止へ
示談や弁償の話が出る場合も、まず事実を固めてから進めると揉めにくくなります。
店舗側:通報から被害届までの対応フロー
店舗は「現場対応」と「手続き対応」を分けると迷いが減ります。現場では安全と証拠、手続きでは説明の一貫性が重要です。ここでは警察へ伝える内容と、被害届までの流れをテンプレ化します。
通報時に警察へ伝えるべき情報テンプレ
110番でも#9110でも、要点は似ています。慌てると抜けるので、以下を順に伝えると通じやすいです。
- いま起きていること:無銭飲食で支払いがなく、退店しようとしている
- 場所:店名、住所、目印
- 人数:男女、年齢層、特徴
- 危険性:暴れている、スタッフに威圧、逃走の恐れ
- 証拠:防犯カメラあり、伝票あり
- いまの状況:店内にいる/外へ出た/車で移動しそう
メモがあれば、そのまま読み上げるのが最短です。スタッフ間で共有し、誰が電話するかも決めておくと強いです。
証拠の残し方(防犯カメラ・伝票・会計ログ)
証拠は「後で出そう」と思うほど消えます。防犯カメラは上書きされることがあるので、該当時間帯の保全を急ぎます。スマホ撮影をする場合も、相手を刺激しない距離と角度を意識します。
残すべきものの例です。
- 防犯カメラ映像(入店、注文、会計、退店の流れ)
- 伝票、レシート控え、会計端末の履歴
- 目撃者のメモ(誰が何を見たか)
- 車両情報(ナンバー、車種、色)
スタッフの記憶は時間で薄れます。早めに「会話の要点」だけでも書き留めると、説明の整合性が上がります。
被害届・告訴・弁償の基本(現場目線の整理)
被害届を出すかは、被害額、悪質性、再発状況、店舗方針で変わります。重要なのは、感情ではなく、警察が理解できる形で事実を提示することです。
店舗側で整理しておくと良い項目です。
- いつ、どこで、誰が、何を、いくら
- 支払いがないことをどう確認したか
- 相手が何と言ったか(財布忘れ、後で払う等)
- 逃走の有無、身元情報の有無
- 証拠の所在(映像、伝票、ログ)
弁償の申し出があっても、再発防止のために経緯を記録し、社内ルールとして処理方法を統一しておくと、次回の判断が早くなります。
利用者側:支払えないときの正しい行動
財布忘れ、カード不調、想定外の料金など、支払えない状況は誰にでも起こり得ます。ここで間違うと「無銭飲食」に見えてしまい、警察対応に発展します。やるべきことは、逃げずに、具体策を示すことです。
逃げない・黙らない・その場で申告する
最悪の選択は、黙って店を出ることです。意図がなくても、行動だけで悪質に見えます。支払えないと分かった時点で、早めにスタッフへ伝えます。
伝え方は次の形が安全です。
- 事実:いま手元に支払手段がない
- 意思:必ず支払う
- 具体策:誰に連絡し、何分で、どう支払うか
「すみません、財布を忘れました」だけだと弱いです。支払いの道筋まで言うと、状況が落ち着きやすいです。
身元確認に協力しつつ支払い方法を具体化する
店側は逃走を恐れています。身元確認に協力し、支払い計画を明確にするほど、警察沙汰になりにくくなります。逆に、身元を拒むと、逃走の疑いを強めます。
現実的な解決策の例です。
- 家族や同伴者に連絡して持参してもらう
- 近くのATMで引き出す(店の指示に従う)
- 可能ならオンライン送金や振込を提案する
- 連絡先や身分証の提示に協力する
その場の約束は、後で誤解になりがちです。支払期日と方法を明確にして、双方が同じ認識になるようにします。
警察が来たときの受け答えとやるべきこと
警察が来たら、感情的に反論するより、事実と支払い意思を短く伝える方が得です。重要なのは、逃げる意思がないこと、支払いの具体策があることです。
やるべきことは次です。
- 本人確認に協力する(身分証があれば提示)
- 支払いの手段と時間を示す(誰が、何分で、どう払うか)
- 店側と口論しない(状況を悪化させるだけ)
- その場で払えるなら速やかに支払う
本当に支払う意思があるなら、行動で示すのが一番強いです。
料金トラブルとの分岐:ぼったくり疑い・民事の扱い
支払い拒否の理由が「払えない」なのか「納得できない」なのかで、現場の最適解は変わります。料金トラブルは、無銭飲食と混ざると危険です。安全確保と証拠確保を前提に、冷静に分岐させましょう。
料金に納得できないときの安全な異議の出し方
納得できない場合でも、怒鳴る、威圧する、居座るは逆効果です。まずは、明細の提示を求め、どこが違うかを具体的に示します。感覚ではなく、項目で話すのがコツです。
実務の順番はこれです。
- 明細を確認(メニュー、追加料金、サービス料など)
- どの項目が不明かを質問
- その場で合意できないなら、支払いの保留方法を相談
店側も人間なので、冷静な態度の方が交渉が進みます。
警察が「民事」と言う場面と、それでもできること
料金の妥当性が争点だと、警察が民事寄りの話として扱う場面があります。ただし、暴力や脅迫、監禁のような危険が絡めば話は別です。現場で危険があるなら、躊躇せず110番です。
どちらの立場でも有効なのは、証拠を残すことです。
- 料金表示の写真
- 注文履歴、伝票
- 会話の要点のメモ
後で第三者に説明できる形があるほど、解決が前に進みます。
現場を荒立てずに解決へ進める手順(証拠と相談先)
その場で決着が難しいときは、いったん「安全に分離」して次へ進めます。店側はスタッフの安全、利用者側は身の安全と支払いの道筋を確保します。
相談先の例です。
- 警察相談(緊急でない場合)
- 管轄警察署
- 法的な相談窓口(法的トラブルの案内)
店舗は、店内ルールを明文化し、例外対応を減らすほど、現場が荒れにくくなります。
再発防止:店舗オペレーションとルール整備
無銭飲食は、発生後の対応だけでなく、起こりにくい設計が重要です。前払い導線、スタッフ教育、通報基準を整えると、現場の迷いが減り、被害も減ります。小さな改善を積み上げましょう。
予防策(前払い・デポジット・会計導線の改善)
店舗の形態によって、効く対策が変わります。効果が出やすい順に、導入しやすいものから検討します。
- 高額になりやすい商品は都度会計や前払いにする
- 深夜帯はデポジットや会計回数の増加を検討
- 会計場所を分かりやすくし、声かけを標準化
- 防犯カメラの死角を減らす
「仕組みで防ぐ」ほど、スタッフの心理負担が減ります。
スタッフ教育(合言葉・役割分担・通報基準)
現場が強くなるのは、個人の勘ではなく、共通ルールです。短い合言葉と役割分担があると、慌てにくくなります。
例として、次を決めておくと実務で効きます。
- 誰が声かけ、誰が記録、誰が通報
- 危険サイン(暴言、退店の動き、身元拒否)の定義
- 110番に切り替える基準
- 後払いを認める条件(本人確認、書面、上限額)
新人でも同じ対応ができる状態が、最も強い防御です。
相談先の整備(顧問・法テラス・警察相談)
店内で抱え込まないために、相談先を先に用意します。警察相談の窓口、地域の管轄署、法的相談窓口などを一覧化しておくと、いざという時に迷いません。
整備しておくものの例です。
- 店舗の通報フロー(営業時間帯別)
- 証拠保全の手順(カメラの保存方法)
- 相談先リスト(警察相談、法律相談)
- 事後の社内報告テンプレ
被害がゼロにならなくても、被害が小さく、復旧が早い店にできます。
まとめ
無銭飲食は、現場の対応次第で「すぐ収束するケース」と「警察対応に発展するケース」に分かれます。
店側は安全確保を最優先に、110番と#9110を使い分け、証拠と事実を整理して引き継げる状態を作ることが重要です。
利用者側は逃げずに早めに申告し、支払い意思と具体策を示すほど誤解を避けられます。
店舗は前払い導線や通報基準の整備で再発リスクを下げられるので、この記事のチェックリストを元に、今日から運用を見直してみてください。

店側は「安全→記録→基準で連絡」、利用者側は「申告→支払い意思→具体策」です。手順があるほど、現場は落ち着きますよ^^

なるほど〜!「基準を決めておく」って、いちばん現場が助かるやつだね!
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